水槽と家具

トンボの色が多様な理由 【生物学】

Posted on: 11月 16, 2009

昆虫の分類とかは全然、門外漢ですけどね。
Gigazine で面白い記事が出ていたので、紹介しときます。

生物のオスがカラフルなのはメスをひきつけるためだけではない 

 

しばしば動物のオスはド派手な色彩を持ちます。クジャクの尾羽とかマントヒヒの毛皮とか。
こうした色彩の多様さは、配偶者に対する選り好みの結果だと考えられてます。派手な形質は、病気に対する遺伝的な頑健さ(グッドジーン or インデックス)や、ハンデを背負っても生きていける(ハンディキャップ)という「質」の顕れであるという考えです。一方、この記事で紹介されている研究は、羽の色が多様な近縁種間のトンボについてのもの。

「戦うべきではない相手(他種のオス)を攻撃したり、逆に攻撃されたりするムダをなくすため、色や鳴き声、化学的合図(においなど)が多様化する方向へ働いたようです」とGrether教授。(Gigazineが参考にしたさらに元記事は*1)。

無駄な競争を避けるため、オスが同種/異種のオスか否かを判別しているという話です。これと良く似た話をとある昆虫研究者のメモで『カワトンボ:雄の方がキビシイ』という記事でG-hopさんが紹介していました。Svenssonさん達によるこちらの研究では、Calopterix属のカワトンボのオスが同種/異種のメスか否かを判断している、という話でした(*2)。
ここで、話題になってるGrether教授の論文をあさってたんですが、なかなか面白そうな仕事をしている人だったので、他の論文もフォローしておこうと思ってます。

 

こうした現象の何が進化生物学的に興味深いかと言うと、同種/異種を区別するメカニズムが生じることで、それまで遺伝的な交流があった集団間に生殖隔離が生じ、最終的には複数の種を形成することにつながると考えられるからです。

生物の多様性がどのように形成されるのか、というメカニズムにはいくつもの仮説が提唱されてますが実証的なメカニズムの解明はまだまだで、進化生物学ではホットな話題の一つです。

Gigazineの記事の中では、

「複数の種の生息域が重なる場所では、生息域が重ならない場所とくらべ、同種のオスと違う種のオスを見分ける能力が高まります」

とあります。地理的な隔離によって分断され、それぞれの環境で適応していた集団が、二次的に接触したとき(交雑することで適応度が低下するのを避けるため)生殖隔離の強化が生じることが理論的には示唆されています。そうしたパターンを実験などで実証的に検証するのは難しいのですが。今回の研究のように、近縁種間の比較を含めた系統地理学的なアプローチを用いることで、そうした過去にたどった進化の経路を再現するのに有効かもしれません。

 

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