水槽と家具

他人の巣に居候する、その名もイソウロウグモ。つくば進化生態学セミナーに参加してみた 【生物学】

Posted on: 1月 31, 2010

1月30日に筑波大学の構内で開かれてる「つくば進化生態学セミナー」に参加してみました。
今回の講演要旨は、ここ

 

演者は、馬場友希さん、今は農業環境技術研究所に所属されてるそうです。
演題は 「クモのユニークな生態 ― 網と性的二型に注目して ―


Steampunk Spider sculpture / Catherinette Rings Steampunk

前半は、チリイソウロウグモという他の種のクモの網に侵入して餌を横取りするクモの話。

横取りの一部始終を写真で紹介してるサイトもあります(*1)。
このクモは地域によって異なる種に居候(=寄生)しており、南西諸島ではスズミグモ、本州ではクサグモに寄生するそうです。クサグモは隠れ家を作ったり、網の目の密度が高かったりとスズミグモより複雑な網を形成するので、これがイソウロウグモに与える影響を検証してました。

クサグモに寄生する本土型のチリイソウロウグモは体サイズが小さく、歩脚長が短いそうです。
実験的に網の目をコントロールした巣を用意したところ、複雑な巣でも短足の方が早く移動することができるようです。クサグモは隠れ家に獲物を持ち帰ってしまうので、家主が気付く前にすばやく移動する能力が適応的だったのかも、ということらしい。

また、体サイズの緯度間変異についても調べたところ、南方の沖縄では年二世代になるため、中緯度の地域で体サイズが最大になるノコギリ形の緯度クラインを示すらしい。ただし全体では高緯度ほど体サイズが小さくなるという逆ベルグマンのパターン。

 

後半は、アシナガグモの牙の性的二型についての種内と種間での比較。


Tetragnatha (F Tetragnathidae) sp copulation / M Hedin

 

この研究自体は、昨年の生態学会でも聞いたことがある(*2)。

アシナガグモは上の写真のようにオスとメスが交尾するとき鋏角を使ってお互いを捕握する。このときメスの鋏角がオスより大きいと、オスがメスに刺されて死んでしまうことがあるらしい・・・まさしく「身の丈に合った相手」を選ぶ必要がある、ということか。南無南無

アシナガグモ属の種間で比較してみると、オス・メスともに長い牙を持つ種、オスだけ長い牙を持つ種、オス・メス共に短い牙を持つ種がいる。こうした長い牙は性淘汰によって進化した可能性が高い。今後の課題は、メスの長い牙に対する選好性なのか、オスの強制的な交尾を回避するための性的対立の結果なのかを明らかにすること、とのこと。

 

講演のあとの飲み会では演者だけでなく、筑波大学の学生さんともいろいろ話ができて楽しかった。月に一回ペースで開かれているので、時間に余裕があれば是非また参加してみたい。

 

*1 石神井公園のクモ ヒメグモとチリイソウロウグモ (2010/01/31確認)
     http://www.geocities.jp/kidoban298/index.html

*2 Dead or Alive? -アシナガグモにおける鋏角を介した雌雄間の対立-
     馬場友希, 谷川明男, 高田まゆら (東大院・農), 二見恭子(長崎大・熱帯医)

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