水槽と家具

第57回生態学会、企画集会その1 「共進化生態学の新天地を求めて」 【生物学】

Posted on: 3月 22, 2010

18日の企画集会

講演要旨はこちら、「共進化生態学の新天地を求めて
ポスター発表を聞いてたので、聞くことができたのは下に記す二つの講演のみ。

「メタ群集における共進化と食物網構造:多種の捕食-被食群集モデル」
*山口和香子(東北大), 大野ゆかり(東北大), 近藤倫生(龍谷大), 河田雅圭(東北大)

多数の種からなる複雑な群集はどう維持されるのか、という疑問に対する理論的アプローチ。これまでの研究で、弱い相互作用が多数存在する場合には、複雑な群集が維持されうることが知られている。捕食-被食関係が進化的に変化する場合を仮定すると、群集の構成はどう影響を受けるのかという内容が紹介された。基本的な結果としては、適応しきれない種が絶滅することにより初期の種数>進化後の種数となり、こうした結果は移動分散といったメタ群集構造を仮定しても変わらないとのこと。

ディスッカションでは「群集の安定性」を初期種数と進化後の種数の差で表すのが妥当かという疑問が出ていた。数理モデルの中身を追いかけて頭がいっぱいだけど、捕食-被食関係を前提におくなら捕食されない「安全な」ニッチへ移動する進化が生じることって考慮されているのだろうか? 理論的な話にも、もちっと付いて行けるよう勉強しないといけないなあ・・・

「競争種間の共進化と生物群集: 小笠原の陸産貝類をモデル系として」
千葉聡(東北大)

小笠原諸島のカタツムリ(講演者のサイト、「進化の小宇宙: 小笠原諸島のカタマイマイ」)に関する適応放散の話。 適応放散のメカニズムには資源競争や異所的種分化、ニッチ分化など考えられるが、それぞれの相対的重要度まで調べた研究は少ない。という壮大な前置きから始まり、カタツムリに糸車を付けて落ち葉の中を移動する個体の行動をひたすら分析するという地道な研究内容の紹介が続く。
貝類は殻の形状で、樹上性か地表性かといった生態的特徴も区別することができる。こうしたデータの積み重ねから、小笠原諸島の陸産貝類の種分化メカニズムがどのようなものか推定したところ、形態や生態の大きな変化を伴わない側所的な種分化も多く見られた。適応放散についての従来の考えでは、種内競争やニッチ分化によって空きニッチが埋まることで種分化速度が一様に減少していくと考えられがちだが、側所的な生態型の進化が起きることで逆に種分化が維持されるかもしれない。

小笠原諸島のカタツムリには固有種が多いという話は知っていたが、講演者のサイトを読んで驚いた。小笠原諸島には記載種で約100種類の陸産貝類が存在し、ほとんど固有種らしい。
まさに、カタツムリのガラパゴス・・・面白い研究というのは、やっぱりデータを丁寧に集めるところから始まるんだなーと思った。

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