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近代統計学の巨人を総ざらい、「統計学を拓いた異才たち」 【読書メモ】【経済】

Posted on: 5月 15, 2010

原題:The Lady Tasting Tea:
        How Statistics Revolutionized Science in the Twentieth Century
邦題:統計学を拓いた異才たち 経験則から科学へ進展した一世紀
著者:David S. Salsburg
訳者:竹内忠行、熊谷悦生
出版:日本経済新聞社

 

統計学という学問はこの100年間で長足の進歩を遂げた。例えば、デジカメを買いたいとき、価格.com を開くと数百の店舗の、これまでの商品価格の変動履歴が得られる。さて、欲しいデジカメの買い時はいつだろう? 今が最安? 夏商戦が狙い目?

大量のデータから生じる問題を考える上で、統計学は強力な分析ツールとして働く。

 

統計学を現代の状態まで磨き上げた学者達の人物伝

もし、あなたが大学に入って統計学を学んで、ぶんさんぶんせき や かせつけんてー といった、怪しげな用語に頭を悩ませた経験があるなら、本書はそれらを理解する一助になるはずだ。そうした概念がどんな知的背景で作られ、何を解くために使うか、といった視点を本書は提供してくれる。 コルモゴロフやウィルコクスンといった名前を聞いて、あの解析手法を作った人ってこんな人だったのか! と感銘を受けると思う。

一方、統計学を全く知らない人には、あんまりオススメできない。統計用語が大雑把な説明でバシバシ出るし。登場する人物もかなりの数なので、追いかけるだけで目が回るだろう。

 

確率論や幾何学を駆使する統計学が何で必要かというと、人間が主観的に認知できる確率というのがえらく大雑把だから、というのが理由の一つだろう。

  • 確実に正しい
  • たぶん正しい
  • 正しいか間違いかは五分五分
  • たぶん間違い
  • 確実に間違い

人間が直感的に認知する確率で一般化できるものは以上の5つしかない、というカーネマンによる行動経済学の研究結果が本書で紹介されるが、人間はざっくばらんに世界を認識しているので、多数のデータを正確に理解するには統計学のような分析ツールが必須になるのだ。

 

統計学のコモディティ化は進む?

現代の統計学は、実験屋のための分析ツールという枠組みを大きく越えている。

農業や医療、経済学の分野で開発された統計学は、コンピューターの出現によって科学分野全体で使われるようになった。2009年には、統計ソフトのSPSSをIBMが買収するという事例が象徴するように、インターネットと企業の内部にビッグデータが蓄積され、それらを利用して分析すること自体が、社会的に要求されている

 

 

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