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立ち上がる消費者サービスと眠れるビジネスIT 「スティーブ・ジョブズ革命」 【読書メモ】【経済】

Posted on: 5月 20, 2010

原題:IT帝国の興亡 スティーブ・ジョブズ革命(レボリューション)
著者:村山恵一
出版:日本経済新聞社

 

この手の歴史チックな本はわりと好き。

ジョブズの伝記的なものを想像してたけど、ずっとビジネス寄りな内容だった。2007年にApple がiPhone を発売する前後にIT業界で起きた動向をまとめたもの。

 

長きにわたるIT業界の覇権闘争

IBM → Microsoft → Google

と覇権が移動してきた影で、ジョブズのApple はニッチな地位に甘んじていた。しかし、iPod と iPhone の成功で、一挙に歴史の表舞台へ駆け上がってきた。
これは、計算機として生まれたコンピューターが、

メインフレーム → パーソナルコンピューター → ラップトップ

という過程を経て、メディアやネットを消費するためのコモディティに姿を変えていったことが背景にある。そして今や、主戦場はスマートフォンやタブレットといったモバイル機器に移っている。

ほとんどのPCユーザーは、もはやコンピュータを「計算機」と認識していない。映画や音楽、メールやIMを打ったり、ネットで買い物をするために使う。ハード、ソフト、そしてコンテンツまでを垂直統合したApple のビジネスモデルとプロダクトが、そうしたニーズを捉えたのだろう。

 

午睡にまどろむビジネス向けIT

モバイルサービスや電子書籍、Twitterのような新しい消費者サービスが雨後の竹の子のように出現している一方で、本書の中では、Microsoft が埋没してしまった原因を、独占禁止法と創業者ゲイツの退任という2つで説明しようとした。でも、自分の印象ではビジネス用途の側面が強い、Winodws と Office を収益の柱にしたせいで、ユーザーの関心がコンピューターそのものから、WEBへ移っても、シフトできなかったのが没落の主要な理由だと思う。

職場周りを振り返っても、90年代からのIT投資が一巡したビジネス業界の足取りの遅さは際立っているように見える。景気悪化のせいもあって、とにかく重い。数年に一度の買い替えで、次々と新しいシステムを選択していける消費者に比べ、企業は過去との整合性を強く要求されるから、仕方ない面はあるのだけどね。

 

次に覇権を握るのは・・・

Google は第2のMicrosoft になってしまったのだろうか? Twitter や 世界最大のSNS、Facebook といったソーシャルリンクを保有するサイトが対抗馬として成長しつつあるけれど、Buzz などGoogle 発のサービスはうまく機能していない。それに、広告業における独占禁止法の疑いやプライバシー問題への対応といった行政/司法の動きが足を引っ張る。

同時に、あくまでハードとコンテンツを提供するメーカーのAppleと、純粋にWeb上でサービスを展開するGoogleの思惑が、モバイル機器という戦場でニアミスしている。どちらを選ぶかは、ユーザー次第。

未来はWEBにある、というGoogleのビジョンは正しいと思うが、それを実現するのはGoogle以外の組織なのかもしれない。だけど、たぶんAppleではない。そんな印象を抱いた。

 

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