水槽と家具

Sexual selection その4 【生物学】【読書メモ】

Posted on: 7月 14, 2010

Andersson のSexual selection 第4章

ここまでは性淘汰の理論的な背景が説明されていた。ここからは実証研究で、性淘汰が働いているか調べるためにはどのような方法を用いるべきかが語られる。

 


Poecilia reticulata (Guppy) / Tokkes
クリエイティブ・コモンズ 表示 2.1

・観察と実験
Bischoff(1985)らによるグッピーの実験が紹介される。

グッピーのオスは長いヒレを持つ方がメスに好まれるが、実際にはヒレの長さと求愛行動の両方がメスの好みに影響を与えている。この実験では、異なる温度の容器にそれぞれオスを入れて、求愛行動の頻度をコントロールしてやることで、ヒレの長さと求愛のメスに与える影響を区別して検証した。

 

・種間比較
DNA分析による系統推定と統計モデルの発展によって、種間比較は仮説検定の強力なツールとなった。種間比較で用いられるのは質的形質と量的形質があるが、質的形質の研究例として、交尾前の配偶者防衛が挙げられる。

Rideley(1983) は、 昆虫や両生類など20近くの系統で独立して交尾前の配偶者防衛が進化したことを報告している。性淘汰の戦略として、配偶者防衛が進化することは理論的にも予測されており、独立した系統で同様の行動が進化したことはそれを裏付ける。

また、量的形質の例として、 Harcourt(1981)らが研究した霊長類の体重と睾丸サイズの関係が挙げられる。横軸を体重、縦軸を睾丸サイズに取ってプロットし、回帰直線を引くと、単独のオスがハーレムを形成する種では睾丸のサイズは回帰直線より下側に位置していた。これは、体の大きさのわりに小さな睾丸しか持たないことを意味する。反対に、複数のオスが繁殖グループを形成する種では回帰直線の上側に、つまり相対的に大きな睾丸を持っていた。

これは、複数のオスがメスをめぐる方が強い精子競争にさらされた結果だと考えられる。

・性淘汰の測定
最後にガラパゴス諸島のダーウィンフィンチ、Geozpiza fortisという種における性淘汰の実例が紹介される。旱魃時の死亡率の性差によって、オス:メスが3:1にまで偏ることが性淘汰の主因である。オスの繁殖成功を決める要因は、テリトリーの広さとクチバシの太さ、羽毛の色と広いテリトリーを持っているかどうかによっている。

羽毛の色は、若鳥ではメスと同じ茶色に近い色だが年を経るごとに黒色が増す。
より黒い色のオスほど、繁殖成功しやすい。

 

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