水槽と家具

魚類生理学の基礎 【生物学】

Posted on: 10月 31, 2010

魚類生理学の基礎

原題:魚類生理学の基礎
著者:会田勝美
出版:恒星社厚生閣

生理学は、生物の持つ機能のメカニズムを物理、化学的に分析する分野だ。具体的には、魚の遊泳時の流体力学的なモデリングやホルモンを介した体内の浸透圧コントロールの分析などがあげられる。遺伝子の発現量まで解析できる現在、タンパク質やホルモンがどういう場所で機能しているか知識を確認したかったので、読んでみたが、いやー知らない単語が出てくる出てくる。分類学も骨の一本ずつに名前が付いてたりして大変難解だけど、こっちもかなりのものだと思う。

金魚のメスが排卵時に分泌するホルモンで雄の繁殖行動が誘発されるとか、ゴンズイのようなナマズの仲間は皮膚に味蕾と同様の構造があって体表で匂いを感知できるとか、知らなかった魚トリビアも多くて面白かった。ただ、記載的な構成が優先されており、データまで呈示して、どのように仮説検証したかまで議論がないのは残念だ。

サバ科魚類の遊泳に関する章では、鰾の発達が悪いカツオなどでは最低巡航速度を高い状態に維持しなければならず(魚の体は水より密度が重く、遊泳して浮力を発生させないと沈んでしまう)、そのために鰾を持つグループに比べて大型化することができない、という話があるが、鰾を持つグループとそうでないグループの系統関係も呈示せず話をするのは、議論として不十分だと思った。他にも浸透圧調整で海水魚と淡水魚での腎臓周辺の構造の違いなどが挙げられていたが、ここでも系統や適応の議論は飛ばされており、その辺が踏まえられていたらもっと分かりやすく、面白くなったと思うので、もったいないなあと思った。

 

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