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動物の色素【生物学】【読書メモ】

Posted on: 4月 16, 2011

原題:動物の色素 多彩な色彩の世界
著者:梅鉢幸重
出版:内田老鶴圃 2000,05

体色の生態的意義についてまとめた本がないか探していて、この本を見つけた。期待した内容とは違ったけど、普段読まないジャンルだったので、面白かった。この本の主軸は、化学物質としての「色素」。

化学的特徴・代謝経路・偏在する部位・どの系統群で見られるか、について色素ごとにまとめてある。具体的には、カロチノイドフラボノイドプテリジンメラニンなどが挙げられる。ここでは人間にとっても身近なカロテノイドとメラニンについて詳しく紹介しておく。

植物由来の天然色素

カロテノイドは、炭素数が40の鎖状炭化水素構造を含む化合物を指す。

自然下では植物が光合成色素として生産したものを、動物が摂取して利用している。魚の色揚げ用に配合されるアスタキサンチンもカロテノイドの仲間で、甲殻類に大量に含まれる。サケの仲間がピンク色の筋肉を持つのもこの色素が原因。他には、シチメンチョウやキジの赤い体色にも関わる。

先日の記事で自分が紹介したエンパイアガジョンの体色もたぶん、カロテノイド系色素が関係してると思う。

美白の大敵?

メラニンは、哺乳類も生合成できる黒色の色素。

人では、可視光線や紫外線によって合成が引き起こされ皮膚の暗色化の原因になる。また魚類が環境の明暗によって体色が変化するのも、メラニンを含む色素細胞内でメラニンが拡散・凝集するため。


Wikimedia Commons Astrid Andreasen

それぞれの化学物質の構造式と代謝経路を眺めていて興味深かったのは、カロテノイドはステロイド系の化合物と同じテルペノイドのグループに含まれている点と、メラニンを合成する前駆体には神経伝達物質のドーパミンも含まれているという点だ。この本では生態的な現象にはほとんど触れられてないが、体色が栄養状態など個体の質を表す正直なシグナルとして利用される事がトゲウオを始め、よく知られている。

そうした生態的な現象が生じる背景には、色素物質と成長や繁殖に必須な物質の摂取量との間に正の相関があったり、色素とそれ以外の化学物質間に代謝経路を介したトレードオフが存在したりするのだろう。

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