水槽と家具

Archive for 8月 2014

インドでIUCNの絶滅危惧に指定されている種が、観賞魚として流通しているという記事が出た。しかし、そもそも輸入される観賞魚のどれが絶滅危惧なのかと言われても、アロワナやハイギョのような有名どころを除いて、よくわからない。
ここ数年、夏になるたびウナギが絶滅危惧になったという話題が出るが、アクアリウムのような趣味だからこそ、持続可能性には可能な限り、注意を払う必要があると思う。

そこで、
1、国内で潜在的に流通する可能性のある観賞魚をリストアップし、
2、IUCNのレッドリストでの評価状況を把握するために、調べてみた。

具体的には、熱帯魚アトラスに掲載されている淡水生の鑑賞魚について、IUCNのレッドリスト登録状況を調べてみた。IUCNのwebサイトで学名を入力すると、レッドリストの評価状況が表示されるので、これを使ってチェックする。調べた種の一覧はGoogle docs で公開した

以下は、得られた結果の要約

IUCN Red List 掲載状況の内訳(数字は種数を示す)
【絶滅】    EX:0, EW:1
【絶滅危惧】 CR:5, EN:21, VU:26
【低リスク】  CD:5, NT:12, LC:237
【その他】   DD:28, NE:485

熱帯魚アトラス(著、山崎 浩二, 阿部 正之)に掲載されていた種のうち、IUCNのレッドリストで確認できたのは820種あった。これに加えて、学名が不明なため、レッドリストで確認できなかった種が100種ほどあった。観賞魚業界では未記載種もしばしば流通し、必ずしも学名を特定した上で流通するわけではない。また、ショップが変わると、同じ学名の種が異なる流通名で呼ばれることもしばしばあるので、今回調べた国内流通名には不十分な点が残っている。

野生絶滅(EW)の種には、Ameca splendens(アメカ・スプレンデンス)というカダヤシ目の魚が1種含まれた。ただ、この魚は日本でほとんど市場流通してないと思う。少なくとも、自分は販売されているのを一度も見たことがない。英語版wikipediaでも、アクアリストによるストックも減少傾向にあると言われている。

絶滅危惧とみなされる、絶滅寸前(CR), 絶滅危惧(EN), 危急(VU)にカテゴライズされた魚種には52種が含まれた。ここには観賞魚としても有名で、インターネットでも容易に流通が確認できる種もいくつか含まれていた。
例えば、ドワーフボティア(ドワーフボーシャ)、ダニオ・エリスロミクロン、カイヤン、アジアアロワナなど。また、マダガスカルレインボーやコームスケールレインボーといったレインボーフィッシュも数種が含まれた。

データ不足(DD), 未評価(NE)の種は、513種が含まれる。
今回、リストの掲載状況を確認できた種のうち、60%ほどはこのカテゴリーに入る。今後、分布域や生息地の状況についての知見の集積に応じて、上記のいずれかのカテゴリに割り振られる種はさらに増えると推測される。

ドワーフボーシャのように日本国内で広く流通している種が、絶滅危惧に指定されているというのは驚いた。野生個体への採集による影響を最小化することを考慮するならば、ブリーディング(養殖)が保証された種か、軽度懸念(LC)の種、というホワイトリスト方式での選択をするのが望ましいだろう。もちろん、それだけが考慮すべき、すべてではないが。

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