水槽と家具

Archive for 7月 15th, 2010

IMFから消費税あげろーって勧告が来たりしたから、日本政府の社会保障関係の支出について調べてみたまとめ。

社会保障費というのは、医療費+年金+その他福祉関連費用で構成されている。出費の内訳は医療費3割、年金の支払6割で毎年総額100兆円が動く(*1)。一方、それを支える財源は、社会保険料+税金+利子収入だ。内訳は社会保険料が5割、税金3割(国:地方=2:1)、利子収入と積立金で2割といった按配(*2)。

日本は少子高齢化しているため慢性的に、支出↑ 収入↓ という状態になっている。

それを反映して90年代以降、社会保障費はコンスタントに2%ほど増加している。この2~3兆円の社会保障費の伸び分をどこでカバーするか、というのが目下の大問題。仮に3兆円をすべて社会保険料に転化した場合、15歳から60歳で定義される労働人口が日本には約8400万人いるので、一人当たりで割ると36000円という値が出てくる。

毎年、36000円ずつ値上げしていく保険料・・・

人口の減少がゆるやかになって落ち着くのは、まだまだ10年以上先。これは正直きつい。

足りない分は借金でカバー!!

そんなわけで、「失われた10年」からこっち国債発行しまくって対応していたら、気付くとGDP比ダブルスコアの国債を抱えるハメになったわけだ。今年(=平成22年度)の日本の国家予算は92兆だが、その内訳を見ると社会保障費が30%、国債の償還費で22%を占める。さらに地方交付税の18%を引くから、政府が自由に使える金はたったの3割(*3)。

そらー、仕分けで切ったり叩いたりしても、ろくに予算の余裕が出てこないわけだ。

上のような状態を見たら、社会保障の維持のため歳入を増やす目的で消費税を増税するってのは、やむをえない状況だと思う。

問題は、消費税は低所得者ほど相対的な負担が強くなるっていう逆進性があるから、増税するにしても日本共産党が主張するような食料品など日用品を非課税にするとか、選挙で菅総理が少し触れたけど所得に応じた還付をするとか、そういった仕組みは不可欠になると思う。

国民の60%くらいは増税を許容してるってニュースも見かけた。なんだかんだで、増税が起きるだろうってのは織り込み済みになりつつある。ただし、税制は国の制度設計の根幹に関わる部分。選挙で選ばれた議員の方々は党利党略を捨てて将来のため、ぜひ知恵を出し合っていただきたい。

*1 国立社会保障・人口問題研究所の「社会保障給付費の部門別推移」を参照
*2 同、「社会保障財源の項目別推移
*3 財務省、「平成22年度一般会計予算の概要


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