水槽と家具

インドでIUCNの絶滅危惧に指定されている種が、観賞魚として流通しているという記事が出た。しかし、そもそも輸入される観賞魚のどれが絶滅危惧なのかと言われても、アロワナやハイギョのような有名どころを除いて、よくわからない。
ここ数年、夏になるたびウナギが絶滅危惧になったという話題が出るが、アクアリウムのような趣味だからこそ、持続可能性には可能な限り、注意を払う必要があると思う。

そこで、
1、国内で潜在的に流通する可能性のある観賞魚をリストアップし、
2、IUCNのレッドリストでの評価状況を把握するために、調べてみた。

具体的には、熱帯魚アトラスに掲載されている淡水生の鑑賞魚について、IUCNのレッドリスト登録状況を調べてみた。IUCNのwebサイトで学名を入力すると、レッドリストの評価状況が表示されるので、これを使ってチェックする。調べた種の一覧はGoogle docs で公開した

以下は、得られた結果の要約

IUCN Red List 掲載状況の内訳(数字は種数を示す)
【絶滅】    EX:0, EW:1
【絶滅危惧】 CR:5, EN:21, VU:26
【低リスク】  CD:5, NT:12, LC:237
【その他】   DD:28, NE:485

熱帯魚アトラス(著、山崎 浩二, 阿部 正之)に掲載されていた種のうち、IUCNのレッドリストで確認できたのは820種あった。これに加えて、学名が不明なため、レッドリストで確認できなかった種が100種ほどあった。観賞魚業界では未記載種もしばしば流通し、必ずしも学名を特定した上で流通するわけではない。また、ショップが変わると、同じ学名の種が異なる流通名で呼ばれることもしばしばあるので、今回調べた国内流通名には不十分な点が残っている。

野生絶滅(EW)の種には、Ameca splendens(アメカ・スプレンデンス)というカダヤシ目の魚が1種含まれた。ただ、この魚は日本でほとんど市場流通してないと思う。少なくとも、自分は販売されているのを一度も見たことがない。英語版wikipediaでも、アクアリストによるストックも減少傾向にあると言われている。

絶滅危惧とみなされる、絶滅寸前(CR), 絶滅危惧(EN), 危急(VU)にカテゴライズされた魚種には52種が含まれた。ここには観賞魚としても有名で、インターネットでも容易に流通が確認できる種もいくつか含まれていた。
例えば、ドワーフボティア(ドワーフボーシャ)、ダニオ・エリスロミクロン、カイヤン、アジアアロワナなど。また、マダガスカルレインボーやコームスケールレインボーといったレインボーフィッシュも数種が含まれた。

データ不足(DD), 未評価(NE)の種は、513種が含まれる。
今回、リストの掲載状況を確認できた種のうち、60%ほどはこのカテゴリーに入る。今後、分布域や生息地の状況についての知見の集積に応じて、上記のいずれかのカテゴリに割り振られる種はさらに増えると推測される。

ドワーフボーシャのように日本国内で広く流通している種が、絶滅危惧に指定されているというのは驚いた。野生個体への採集による影響を最小化することを考慮するならば、ブリーディング(養殖)が保証された種か、軽度懸念(LC)の種、というホワイトリスト方式での選択をするのが望ましいだろう。もちろん、それだけが考慮すべき、すべてではないが。

新年祝いで、二人掛けのソファを購入。
ごろ寝しながら、論文を読むのにいい感じ

合わせて使用するローテーブルも通販で注文したので、届いたらリビングは食卓とイスのセットから、ソファメインの生活スタイルに切り替える予定

IMG_1687

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お値段は2万程度で組み立て式だけど、ボルトの目隠しが木の鋲を模していて、単なるシールじゃないあたり、芸の細かさを感じた。

内容的には、まったくアクアリウム関係なくなってきたDIYネタのメモ。
外部フィルターの排水位置をずらそうとしたところ、ホースの長さが足りず困った。新しいホースを買って付け替えても良いけど、中途半端な切れ端があったので、ホース用のツギテを使って接続できるか、実証テストを兼ねて試してみた。

外径15のツギテで、パワーボックスSV用の16/22のホースをつないだが、問題なく接続できそう。
水漏れが怖いので、バンドできちんと固定しておく。

作ってみて感じたけど、ツギテの部分は径が違うので、異物(水草の破片など)による目詰まり、抵抗による水流減少とか予期しない影響を引き起こす可能性は否定できないなあ。そのへんは、まあ、使いながら様子を見るしかない。

2013年になりました、明けましておめでとうございます。
超絶放置中のブログですが、今年はまた地道にアクアネタを更新してこうと思います。

市販のクリップライトって、そのまま水槽に取り付けると先端が水面にふれる

アクアリウム専用の照明が高いから、購入代金けちってクリップライトで安く済ませようとした方、いません?何年かこの趣味やってると、必ず経験する道かと思います。クリップライト使うと、水位を下げるかライトスタンドが必須だけど、水位は下げたくない。だから、ライトスタンドを自作しようというのが今回の趣旨です。

完成品のデザインイメージとして考えたのは、リンク先のようなアクリル製品です。
最初はアクリルでの製作も考えましたが、加工に手間かかるわりに、強度に
不安が残るので、既成の金具を使って似たようなブツが作れないか試してみました。

購入した材料は、以下のとおり

  • 金具(短冊) 小 : 90
  • 金具(短冊) 大 : 148
  • ネジ(ボルト、ナット、ワッシャー、28本セット) : 398
  • 蝶ナット(4個セット) :100
  • ゴム板1mm厚(接着シート付) : 263

これらを下の写真のように組み合わせます。
合計で、1000円くらい。実際は同じものを2セット作ったので、1個だけなら、ネジやゴム板の費用は、もう少し節約できたと思います。

IMG_1594

 

 

 

作成手順

  1. ゴム板を短冊の金具に合わせて切る
  2. 短冊状の金具が、ガラス面と接する側にゴム板を接着(ボルトを通す穴は避ける)
  3. 2枚の大小の金具をボルトで固定する

作成して気付いた注意点など。

短冊状の金具は、ビアバッハ補強金具という名称でホームセンターに売られてました。色々な形のものがありますが、穴が平行に開けてある種類を選んでください。

上側のボルトは短冊の内側にナットを3個はめてます(ガラス厚に応じてナットの数は要調整)。これがあると、二枚の短冊が常に平行に維持されるので、蝶ナットでガラス面へ固定する際の微調整が楽になります。

水槽の内側4cmくらいに金具が張り出す。満水近くの状態で維持している人には向かないかも。

実際にクリップライトを付けると、こんな感じになります。

IMG_1591

応用すれば、60cm水槽用のライトのリフトとかもわりと安価に組めるかも。

エンパイアガジョンが入ってた60cm水槽。しかし、ガジョンがエビを捕食しまくるせいでコケ地獄になることが明らかになったので、今は水草と小型魚メインで再構築中。

入ってる水草は以下のような感じ
・バリスネリア スピラリス
・ロタラ インディカ
・ツーテンプル
・オーストラリアンヒドロコティレ
・パールグラス
・コブラグラス

生体は今はブッシープレコとローチ、チェリーバルブくらい。

こっちは、陰性水草のストック水槽

ファイヤーレッドシュリンプとメダカの育成にも使っていたけど、最終的にこちらへガジョンを移そうと思う。時間を見つけてすべての生体を引越しさせねば・・・

アップにするとよく見えるけど、糸状のコケが結構、繁茂してる。
このへんも近日中にはトリミングしてきれいにする予定。

せっかく一眼レフとマクロレンズを買ったのに、あまり写真を撮る練習できてない。これまで使っていたDP2sとは、重量バランスも、センサーとレンズの特徴も、まったく違う。慣れるまでには練習しておかないと、現状ではピンぼけ量産状態。

速い魚をうまく撮れないので、まずは泳ぎのとろい金魚で練習している。

うーん、カメラのスペックをぜんぜん引き出せてない感じがするなあ。
もっと練習せねば・・・

 

京都水族館の写真その3。

大水槽を通過すると、珍しい種類や熱帯性の魚が個別飼育された展示コーナーがある。
その一角に、海産無脊椎動物も展示されていた。

イセエビと同じ仲間のニシキエビ

この写真だと大きさが伝わらないけど、体長は大人の腕くらいある。でかい

国内でも何カ所か飼育してるところがある、オウムガイ

生体を見るのは、初めてだったのでテンション上がった。

こやつら近い仲間のイカ・タコに比べると、圧倒的に動かない。背景が真っ黒なのもあって、ここだけずっと時間が止まっているかのように、ただ浮いてる。

ミズクラゲが大量に浮かんでいる水槽は、幻想的な光景。
ミズクラゲ自体は、決して珍しい生き物じゃないけど展示のセンスが光る。

これはたぶん、カサゴだったと思う。くりくりの目玉がかわいらしい

独特な体型のマツカサウオ。生体発光したりといろいろ特色があって、あちこちの水族館で飼育されてるんだけど、自分はいまいちこの魚の魅力がよくわからぬ。

イシガキダイが海藻にくるまって、泳いでた。
これ、ホンダワラかな?

展示をすべて抜けると、最後は喫茶スペースがあってその前は和風庭園になっていた。とはいえ、植栽された木は十分に育ちきってなく、棚田にはまだ何も植えられてない。オープンしたばかりの水族館でまだまだ未完成な部分もあるけど、一年くらいしたらまた遊びに来て変化を楽しむのも良さそうだ。

 

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京都水族館の写真その2。

今回紹介するのは、アクアリウムとしてはメイン展示になるはずの海水大水槽。
1 〜 2 階を吹き抜けにして作られてる水槽なので、開放感がある。

天井のライティングが良い感じ。タカサゴの群れが泳いでいる

水底にはハタ科の魚が何種か泳ぎまわる。上はクエで、下はアカハタかな?
大水槽はいろいろな魚がいるのを探してみて回るのが、楽しい。

他にもいたけど、写真に撮ったのはこれくらい。


水槽前で待っていると、館員のダイバーさんが餌を配って回ってた。
こういうアトラクション盛り込むのもアリかもね。

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生態学会の最終日に時間を作って、京都水族館へ行った。今年の3/14にオープンしたばかりの真新しい水族館。海のない京都で水族館というのも、不思議な感じだけどね。

中に入ると、最初は大きなアクアテラリウム水槽が展示されていた。
京都を流れる鴨川の流域をイメージした水景で、オオサンショウウオが目玉。

テラリウム部分はこんな感じ。

次は、水中を見てみる

渓流風の石組の中をアマゴが泳いでいる。

よく泳ぎ回るので撮影は難しいかと思ったが、案外うまく撮れた。というのも、縄張りを作って同じ個体が一箇所にずっと定位しているからだ。他の個体が侵入すると追い払って移動するが、しばらく待ってると同じ場所に戻ってくる。

話に聞いていた定位行動を実際に観察できたのは、興味深い。

同じ水槽にニゴイもいたけど、アマゴに追い回されて隅でじっとしていた。

傷ついてる個体もちらほら。サケ科の魚と混泳は難しいだろうな。オープンして間もないから、まだ見れる状態だけど。 あと数ヶ月経つと、ボコボコで痛々しい状態になってそう・・・

長期維持が難しい展示の組み合わせってのは、こういう施設だとあまり良くないと思うんだけどなあ。

で、これがこの水槽のメイン。オオサンショウウオ (Andrias japonicus)
この個体は岩の隙間にもぐりこんで、足と尻尾だけが見えている。

基本的に夜行性なので、昼間はあまり動きまわったりしない。

オオサンショウウオの全身見るのは難しいかな、と思っていたら、サービス心旺盛な個体がうろうろ出歩いてくれていた。この水槽には、5〜6匹のオオサンショウウオが入っていた。

 

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ブログを4ヶ月近く放置してしまいました。
すげー出遅れましたが、新年あけましておめでとうございます。

白点病で魚を殺してしまったのがショックだったのと、研究の作業が煮詰まっていて年末年始返上で片付けてました。最近、ようやく仕事的にも精神的にも落ち着いてきました。

でもこれからまだ、3月の学会発表に向けて忙しかったり・・・

↓ 60cm水槽に設置されてるサイホン式オーバーフロー管

見た目的にかなり邪魔ですね。それにこの状態では、水槽の上方で水が循環するので、底に有機物が溜まりやすくなる弊害もあります。白点病を起こした原因のひとつもそこにあると思っています。

そこで、水槽の底から水を循環できるよう、オーバーフロー管にアクリル板で囲いを作ることにしました。

構造はとにかくシンプルに。
5mm角の補強材を芯に、2mmのアクリル板を四角に貼りあわせた。寸法は、オーバーフロー菅が余裕をもって収まるよう、高さ350mm, 横120mm, 縦60mmにしてます。補強材の足が出てる部分が底床に接する面になります。

剥き出しだった補強材の周りをパンチングボードで覆ったら完成。

補強材とアクリル板を合わせて2000円ほどの出費でした。今夜は接着剤が乾くのを待つので、明日の夜には水槽に設置して動作をチェックしたいと思います。

 

20120207追記

接着剤も乾いたので、60cm水槽に設置してみた。

水上の様子は、こんな感じ。悪くない出来ばえ

左側だけ黒いのは違和感あるかも・・・バックスクリーンを貼ってないからなあ、せっかくだし購入しようかな。でもまあ、デザインは目隠し前より改善されたし、肝心の水流にしても、きちんと底部から吸い上げるようになったので今回はこれで良しとしておこう。

 

土日返上で実験用の撮影機材を準備してました。2005年くらいに購入したNikonのcoolpix の代わりに、新しいカメラを使うことにしたためです。使用するのは、PENTAX のW90という機種です。

後継機種のWG-1もそうですが、最短撮影距離1cmでのマクロ撮影可能なのは、小さな被写体を撮影する場合に便利です。防水性があるのと、オプションに赤外線リモコンがあるのも、良いですね。ただ、肝心の画質は非常にクリアとは言い難いのが微妙な感じですが・・・

既存のシステムを参考にしたので実作業は、設計1日、作成1日てところですかね。

うちの研究室はメダカの成長速度を比較したりしているので、1cm未満の稚魚を100匹単位で撮影したりします。なもんで、効率よく撮影できるようアクリルで撮影用のケースを自作するわけです。

魚を入れるためのケース(写真右側)は既存のものを流用するので、これに合わせたカメラ用の土台を作成しました。土台は作業中に、メダカのケースとの高さと距離を一定に保った状態でカメラを固定するためのものです。

こんな感じでケースをぴったりフィットさせて撮影します。

液晶部分もばっちりアクリル板で覆われてます。カメラの大きさに合わせて切り出したので、ガタつきもほとんどなく、ぴったり挟みこまれてます。

分解すると、こんな感じ。黒いアクリル板はカメラのレンズ部分が少し出っ張っているので、そこを周りと合わせて平らにするために付けています。

材料代はアクリル板や補強棒、接着剤などすべて合わせて3600円くらいですね。失敗した場合を考えて部材はかなり余裕を見て購入したので、使用分だけ考慮すれば、1000円かかってません。

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